マサチューセッツ州は、2003年11月18日の最高裁判所の判決に基づき、5月17日から、同性カップルに対して結婚許可書を発行する。それに伴って、発行を担当する事務官の研修が、12日までの予定で4日から始まった。
これまで、議会での、同性婚を禁止するための州憲法修正の審議が終わるまで、許可書発行を保留する要請が最高裁に出されるなど、反対派は抵抗していたが、最高裁にそれも却下され、発行は予定通り開始されそうな見通しだ。[→このあたりの最新の経過はこちらから]
現在、マサチューセッツ州で問題になっているのは、結婚許可書を発行する対象である。1913年に、異人種間の結婚にかかわって制定された「結婚法」が生き残っているからだ。1913年当時、マサチューセッツ州は異人種間の結婚を認めていたが、まだ多くの州では認められていなかった。それによって多数の人間がマサチューセッツ州に流入するのを防止するために作られたとされている。
その法律は、他の州からマサチューセッツ州に来て結婚できるかどうかを規定したもので、他の州で認められている結婚形態であっても、マサチューセッツ州が認めていなければ、マサチューセッツ州では結婚できない。またその逆に、他の州で禁止されている結婚形態だが、マサチューセッツ州が認めていたとしても、やはりマサチューセッツ州では結婚できない、と定めている。
それゆえに、ほとんど忘れ去られていたこの法律を持ち出したロムニー州知事は、同性カップルがともにマサチューセッツ州居住である(または住む予定である)ことを確認するよう事務官に指示している。だが、ダニエル・ウィンズロー首席補佐官(法律担当)は、カップルが宣誓するだけでいいのでは、という見解も示している。
現在、マサチューセッツ州で結婚しようとするカップルは全て、2人の結婚に法的障害はない、とする宣誓供述書を提出しなければならない。要するに、州外からの同性カップルも、この形式が一定の書類に必要事項を書き込んで出すだけですむのではないか、という見解だ。
地域によっては、州当局の方針に関係なく、居住証明を求めず、結婚証明書を発行していく、と決めているところもある。
居住証明を求めるとしても、どんなことが「証明」されればじゅうぶんなのかについて、はっきりとした規定はない。ロムニー知事の周辺でも、担当事務官が「広い裁量」で行ってよい、という声が出ているし、銀行に預金口座があればオーケーだという意見もある。
12日に研修が終わるまでには、明確になるかもしれない。
訳&記事の解説:伊藤
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