米国コネチカット州でシビル・ユニオン法が施行される by ワタル |
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米国コネチカット州では10月1日・土曜日から、バーモント州に続き国内で2番目の州としてシビル・ユニオン法を施行し、この特定の形式の法的認知を同性カップルに提供することになった[成立までの経緯は4月22日の記事をご覧下さい]。 「この土曜日はコネチカット州の公民権運動において、歴史的な日となるでしょう」と、シビル・ユニオン法案の発起人であり、コネチカット州議会で数少ないオープンリーゲイ議員の一人である、アンドリュー・マクドナルド上院議員は話す。 LGBTのアクティビストらは、土曜日にいくつかの式典を計画しており、その中には州知事に立候補しているスタンフォード市長、ダネル・マロイーさんが司会を務めるものもある。 コネチカット州では、バーモント州のシビル・ユニオン法やカリフォルニア州のドメスティック・パートナーシップ制を認めているが、マサチューセッツ州の同性婚は認めていない。コネチカット州の州法が、婚姻は男性と女性間によるものと定めているためだ。 異性愛者のカップルには適用されないコネチカット州のシビル・ユニオン法は、結婚しているカップルと同様の法的保護を同性カップルに与えることになる。しかし、シビル・ユニオンのカップルが同州を離れてしまうと、これらの保護はなくなる。アメリカ連邦政府が、配偶者は反対の性別の人と定義しているためだ。 「私たちの権利は州境で終わってしまいます。今回のことは正しい方向に向かう素晴らしい一歩だと思います。シビル・ユニオン法を支持しながら同性婚に反対している人たちは、その二つには違いがあるということにいずれ気づくでしょう」と、この土曜日にもパートナーとシビル・ユニオンの許可証を受け取りに行くという、妊娠中のキックス・ライエンさんは語る。 「コネチカット州では、私たち二人ともが子どもの親として認知されます。しかし、連邦法的には認知されないので、もうひとりの親とは養子縁組をするよう助言を受けました」とライエンさん。 またライエンさんは、他の多くの自治体が週末休みに入る中、彼女の住む市の役所は今回の証明書を出すために週末も開いているので、自分はラッキーだと語っている。 「この土曜日はそれほど混まず、落ち着いているでしょう。重要な権利や市民権が、同性のカップルにまで拡大されたことは喜ばしいことです。しかし、私たちが望むのは同性婚であるのは明らかです」と、一時はシビル・ユニオン法に反対し、最終的に認めるに至った団体、“Love Makes a Family”の代表、アン・スタンバックさんは話す。彼女は、議会が2007年に、婚姻の平等を再検討してくれるよう期待している。 「私たちは現在、民事訴訟を起こしています。それは2004年8月に「GLAD:ゲイ・レズビアンの擁護・弁護者」(LGBTのために法的活動を行う団体)により提出されたもので、この訴訟の決着がつくには、もうあと数年はかかるでしょう」。コネチカット州に住む8組の同性カップルが起こしたこの訴訟の弁論は、来年1月に予定されている。 また、このシビル・ユニオン法は、同性カップルへの医療保障の適用を義務付けられる雇用主の間にも混乱を招いている。 「雇用主は、早ければ月曜にも社会保障の要請を受け始めることになるでしょう。しかし、それに対応できるだけの準備がなされていません」と、ハートフォードの従業員側の弁護士は話す。 例えば、シビル・ユニオンにおけるパートナーの健康保険は、連邦政府によって収入として課税の対象となる。なぜなら、連邦法では同性のカップルは結婚しているとみなされないからだ。 「社会保障制度の行政官が解決にあたらなければならないこの問題は、かなり複雑な要素を抱えています」と、医療ケア団体「エール-ニューヘブン・ヘルス・システム」報酬・保障担当のマイケル・ディメンステインさん。 2000年の米国国勢調査によると、およそ7400組の同性カップルがコネチカット州に住んでいる。しかし、そのうちのどれだけがシビル・ユニオンを申請するのかは不明だ。 「準備は万端です。適切な書類はそろっているので、まったく問題ないでしょう」とコネチカット州市役所職員連合代表のサンドラ・ハットンさんは語る。
翻訳&記事の解説:ワタル
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