イギリスで同性カップルが新法による最初の式典

 12月19日、イギリス・北アイルランドのベルファストで、レズビアンのカップルがイギリスの新しい「シビル・パートナーシップ法」[法律の詳細はこちらをクリックしてお読み下さい/同性カップルにも異性間の結婚と同等の権利が与えられる]の下で、最初の公的な式典を開いた。

 北アイルランド出身のグレイン・クローズさん(32歳)と、ニューヨーク出身の劇作家シャノン・シケルズさん(27歳)は、ベルファストの市役所でお互いに誓い合い、20分間のセレモニーを済ませ、イギリスで最初の法に基づく同性カップルとなった(正式な「同性婚」ではない)。

 セレモニーには、指輪の交換があり、ドリー・パートン[米国の有名なカントリー・シンガー]の「タッチ・ユア・ウーマン」が歌われたという。

 市役所ヘ至る沿道では、数十人の反対者が抗議の声を上げた。

 シャノンさんは「これは、私たちの市民権を認めて、尊重して、保護してもらうための選択になります。LGBT のコミュニティのたくさんのアクティビスト[人権擁護活動をする人]やたくさんの個人の熱意あふれる活動がなかったら、私たちはここにいることができなかったでしょう」と述べた。

 「シビル・パートナーシップ法」による式典は、12月19日に北アイルランドで最初に実行可能になり、20日からスコットランドで、21日からイングランドとウェールズで実施できる。

 同性カップルは、12月5日からパートナーシップの登録を続々開始している。登録後15日間を経て正式承認され、式典を開くことができるようになる。

 「シビル・パートナーシップ法」に基づき、パートナーのデービッド・ファーニッシュさんと誓いを交わす予定のサー・エルトン・ジョンは、18日「ザ・オブザーバー」[イギリスでもっとも有名な日曜発行の新聞]に寄稿し、世界中で同性愛者の人権が保障されるよう求めて以下のように述べた。

 「21日は、デービッドとのシビル・パートナーシップを祝う、私の人生でもっとも幸福な日になるでしょう。しかしながら私は、私たちよりも幸運ではない人々のことを考えざるを得ません。多くの国で、同性のパートナーを持つことは、いまだに法律の保護を受けていないからです。歴史を通して、私とデービッドのような同性愛者は、同性愛者を現状に対する脅威として恐れる人たちによって、しばしば迫害の対象になってきました」。

 21日までに、600以上の同性カップルがシビル・パートナーシップを祝う式典を開くものと見込まれている

※注 日本のメディアはこのニュースを「結婚」と報じているが、正式には「市民パートナーシップ」契約であり、いわゆる「同性婚」ではない。

記事のまとめ:伊藤

 

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