オレゴン州ベントン郡
同性カップルへの結婚許可書発行予定を中止
さらに異性カップルも含め
全ての結婚許可書発行を停止

 オレゴン州ベントン郡は、22日月曜、法廷が州憲法の下で、同性カップルが異性カップルと同じ権利を持つと決定するまで、同性カップルへの結婚許可書の発行開始を延期する、と発表した。それも、同性カップルだけでなく、異性カップルへの結婚許可書の発行も一時停止する。

 ベントン郡評議委員長リンダ・モドレルは、「この一時的な不便に対する市民の忍耐を求めます。全ての市民が、自分たちの政府から平等な扱いを受けることを支持し認めることは、あらゆる人の最大の関心事であるはずです」と語った。

 先週17日、ベントン郡は、マルトノーマ郡に続いて、24日(第一報より1日伸びている)から同性カップルへの結婚許可書を発行することを決めた。しかし郡当局は、オレゴン州司法長官ハーディ・マイヤーズが、この問題に対して、郡を告訴することもちらつかせながら、法廷から明確な答えが出るまで待つことを求めたことも明らかにした。

 司法長官ハーディ・マイヤーズは、この措置に対してすぐ声明を出し、ベントン郡の行政責任者(評議員)らに、先週の決定を再考したことを感謝し、「今回の決定は、ベントン郡でオレゴン州法に違反する形で結婚許可書が発行されないことを保証する。法律を適用する過程が、オレゴン州の各郡で明快になるのは、私の心からの希望だ」と述べた。

 マルトノーマ郡の方は、郡裁判所が聴聞を行ったうえで、来月末までには裁定を出すことになっている。だが、同性カップルへの結婚許可書の発行は続けている。ただ、州側は、その許可書を保留して正式に記録していないので(これも司法の判断が出るまで)、結婚証明書は発行してもらえない。

 Basic Rights Oregon(BRO:オレゴン州内の GLBT の人権団体)の代表ロイ・ソープは、郡の評議委員会の公正さは評価できるが、司法長官ハーディ・マイヤーズが意見を押し付けていると非難した。「司法長官が、ベントン郡の評議員を、結婚許可書の発行をやめるしかないと感じるようにもっていったのは、遺憾です」。

▼これまでの経緯
3月3日 オレゴン州マルトノーマ郡(中心都市ポートランドを含む行政単位)が同性カップルに結婚許可書の発行を開始(→詳細はこちらから
3月8日 保守派から、緊急停止命令を求める訴えが出されたが、マルgノーマ郡のデール・コッチ判事は、却下し、結婚許可書の発行は続いた(→詳細はこちらから
3月15日 改めて、マルトノーマ郡で結婚許可書の発行の継続を確認(→詳細はこちらから
3月17日 米オレゴン州マルトノーマ郡に続いてベントン郡も同性カップルへの結婚許可書発行(→詳細はこちらから


訳&記事の解説:伊藤

 

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