Q12■どうやって友達や恋人を探したらいいでしょうか?(ゲイ編)

日常生活では、なかなかゲイの友達や恋人を探しづらいかもしれません。しかし、その分、様々な出会いの方法、場所がつくられてきました。代表的なものを紹介します。特徴や注意点なども多少織り交ぜましたが、見聞きしたことなど、経験に基づいていますので必ずしも絶対ではありません。自分に合う探し方を見つける際の参考になれば幸いです。
①アプリ、SNS 近年、多くのゲイが利用しているといわれるのが、スマートフォン向けのアプリです。ゲイ用につくられたものがほとんどで、プロフィールや写真(顔を載せなくてもよい)を登録し、気に入った人がいればメッセージ等を送れるようになっています。また、GPSで近くにいる利用者がわかる機能を備えたものが多いのも特徴です。ネット上に自分の情報を載せることを不安に感じる人がいる一方で、近くに「これだけ仲間がいる」ことを知って安心したと語る当事者もいます。
 そして、Twitterなど、ゲイ用でないSNSを出会いのツールとして用いる人も増えてきています。ゲイをオープンにした別アカウントを作って、「ゲイ用」として使う人が多いようです。ゲイ用アプリと異なり、発信できる情報量が多く、相手の性格や趣味などがわかりやすいという点を評価する意見もあります。一方で、もとが出会いのツールではないので、一度何かで知り合った人との「つながり」を持つために利用する人も多いようです。
 ただ、実際に会ったことのない人とのコミュニケーションは難しいという声をよく耳にします。意思疎通が取れず、会うことにはならなかった、会ってみたらお互いの求めているものが違ったなど、満足のいく結果にならないことも珍しくないといいます。
 しかし、日常で出会うチャンスが少ないゲイにとって、これらが有用なツールの一つであるとは思います。インターネットがなければ絶対に出会わないような人と知り合えるかもしれませんし、興味のある人は試してみるといいでしょう。その際、トラブルを避けるため、個人情報に注意する、自分の希望を伝える(友達が欲しいのか、恋人が欲しいのかなど)、自分がしたくないことは断る、相手にも強制しないといった点に、気をつけるといいかもしれません。
②NPOなどのイベント、スペース 主に都市部では、NPOなどが主催するイベントが定期的に行われています。若年層や中年層に特化したイベントや、「語り合う」ことを重視したイベントなど、種類は様々です。ゲイだけでないセクシュアリティ・ミックスなイベントもあります。また、一部のNPOは気軽に立ち寄れるスペースを提供しているので、行ってみるのもいいかもしれません。
 NPOなどが開催するイベントは、当事者がスタッフをしていることが多く、初めての人でも話しやすい工夫がされているのが特徴です。アプリは一対一の出会いが多いので、一度に多くのゲイに会うことに緊張される人もいますが、直接会ってからコミュニケーションを始める方が仲良くなりやすいと感じて、積極的に利用する人もいます。
③グループの飲み会やパーティ 一般的な飲み会に比べて、人数の多い飲み会やパーティが近年増えてきています。単にゲイの知り合い同士で集まった大規模な飲み会もありますが、知り合いを自由に誘ってもよい「半公開型」、インターネットで広く参加者を募集する「公開型」などもあるようです。一度に多くの人と出会える点がメリットといえます。一方、知り合いが全くいない状態では開催の情報自体が手に入らない、仮に入ったとしても行きにくいと感じる人も多いです。ゲイの友達がいるなど、ゲイの集まりにある程度慣れた人向きの面があるかもしれません。
④サークル 当事者同士で集めるサークルがある大学もあります。インカレという形で、大学を越えて活動しているサークルもあります。最近では、セクシュアリティ・ミックスのところが増えてきている印象です。他のイベントなどに参加するハードルが高いと感じる大学生の当事者にとって、もっとも身近な存在だといえるでしょう。ただ、大学に通っていないと参加できない(しにくい)のと、通っている大学にサークルがない場合があります。
 大学ではない、一般(ゲイ)サークルもあります。多くの場合、楽器演奏やスポーツ、演劇など趣味を中心にしたサークルで、メンバーがゲイまたはLGBTなどで構成されています。インターネットや口コミでメンバーを募集し、定期的に活動していることが多いです。