2000年5月にシェイダさんが入国管理局に収容されてから1年がたちました。このことを記念して、シェイダさんが過ごしてきたこの1年を思い起こし、シェイダさんの難民認定・在留権をかち取るために、「チームS」では5月20日(日)、「シェイダさんの一年、私たちの一年〜シェイダさん救援のために〜」と題するイベントを行いました。
このイベントで、私たちは一つの挑戦をしました。いわゆる「集会」イメージ、参加者が一方的に話を聞く講演スタイルをやめ、参加者が企画に自ら参加して、シェイダさんの直面している問題を自分の内側から感じとれるようなイベントをめざしたのです。
当日は、最近シェイダさんの裁判の傍聴に参加してくれた方々を始め、シェイダさんのことを友だちから聞いて初めて知った、という方々も参加してくれました。企画プログラムは、以下のようなものでした。
(1)ウォーミングアップ・クイズ
〜シェイダさんとはどんな人?イランとは・日本とはどんな国?〜
ウォーミングアップ・クイズでは、シェイダさんの歩みや、イランという国について「Yes-No」形式でクイズを行い、Yesの人はこっち、Noの人はこっち、という感じで動いてもらいました。ちょっとこなれない問題もありましたが、日本の入管制度などの問題も含めてやっているうちに、「日本」という国の外国人政策の問題点なども見えてきます。
(2)すごろくゲーム「シェイダさんの道」
〜「難民すごろく」でシェイダさんのたどった道を疑似体験〜
「難民すごろく」は、兵庫県の高校の先生が開発した「難民」をテーマとする教育ツールです。私たちは、この「難民すごろく」を、イランから日本へ、そして日本で逮捕・入管収容……というシェイダさんの歩みにあわせて再構成しました。「なかなかあがれない」……すごろくを囲んで楽しみながらも、シェイダさんはじめ、同じ境遇に置かれた同性愛者難民の苦悩が伝わってきます。
(3)セッション:あなたが「難民」になったら
最後は、6〜7人のグループに分かれてセッションです。このセッションでは、各グループが、同性愛を法律で禁止している国にある同性愛者の親睦サークルに、警察の弾圧が迫っている……という設定で、どこの国に逃げるか、たどりついたらどうするか、などを話し合ってもらうというものです。最近アフリカのナミビア共和国で起こったゲイ弾圧の事例なども紹介し、臨場感を持ってセッションしました。
初めての試みでしたが、シェイダさんが直面してきたことを、ちょっぴりではありますが追体験でき、共感もひろがったようです。
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