米国オレゴン州マルトノーマ郡
同性カップルへの結婚許可書発行を再確認

 米国オレゴン州マルトノーマ郡の評議委員会は、4月1日、郡代表ダイアン・リンが行った「同性カップルに結婚許可書を発行する」行政決定(3月3日)を改めて承認する決議を、4対1で可決した。

 郡の評議委員会は、周囲の圧力の中で決定の再確認を迫られ、前週から合計3日間、公開のヒアリングを開いた。その場で、結婚許可書発行の賛否に関して、熱のこもった証言が続いた。

 最近結婚または婚約した同性カップルたちは、結婚する権利がどのように自分たち及び家族の生活に影響するかを切々と語り、評議員の心を動かした。評議員のうち4人は、時として、涙することもあった。

 ポートランドの経済界は、同性婚を支持し、経済にいい影響を与える、と述べた。

 反対派に関しては、事前の公的な検討がなかったことを批判する者もいたが、大半は、結婚を1人の男性と1人の女性の間のものと定義する宗教的信条に議論を集中させた。人数としては、賛成派の方が多かった。

 Basic Rights Oregon(オレゴン州内のGLBTの人権団体)は、次のようなコメントを出した。「このヒアリングでの証言は、『同性カップルが愛する人と結婚するという基本的な権利を与えない法的理由など、全くない』という事実に注目してもらうのに役立った。性別や性自認に関係なく、お互いに愛していて委ね合っている2人の大人の間の結婚は、誰も傷つけることはない。実際、すでに私たちのコミュニティの構成要素のひとつになっているこうした家族に対して、法的・社会的に認知を与えることは、私たち全員にとってプラスになる」。

 同性婚の問題は、現在オレゴン州最高裁判所の検討へ向けて進んでいる。


▼これまでの経緯
3月3日 オレゴン州マルトノーマ郡(中心都市ポートランドを含む行政単位)が同性カップルに結婚許可書の発行を開始(→詳細はこちらから
3月8日 保守派から、緊急停止命令を求める訴えが出されたが、マルトノーマ郡のデール・コッチ判事は、却下し、結婚許可書の発行は続いた(→詳細はこちらから
3月15日 改めて、マルトノーマ郡で結婚許可書の発行の継続を確認(→詳細はこちらから
3月17日 マルトノーマ郡に続いてベントン郡も同性カップルへの結婚許可書発行(→詳細はこちらから
3月22日 ベントン郡は、法廷が決定するまで、同性カップルへの結婚許可書の発行開始を延期する、と発表。さらに、異性カップルへの結婚許可書の発行も一時停止する。(→詳細はこちらから


訳&記事の解説:伊藤

 

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