友人があなたにカミングアウトをしたということは、たぶんあなたのことを信頼しているからだと思います。同性愛者の多くは、カミングアウトしたことによって、もし相手から拒絶されたらどうしようという不安を抱えています。不安の度合いは人により様々ですが、それを乗り越えて、本当の自分は何者なのかをあなたに伝えようとしているわけですから、そんな彼・彼女の気持ちに共感してくれたら、こんなにうれしいことはありません。
もしも、あなたが自分にとってすごく大切なことを友人に打ち明けたり相談したとしたら、あなたなら、友人にどんなふうに接してほしいですか? あなたがしてほしいと思うことを、友人にもしてあげましょう。あなたがしてほしくないことは、その友人にとっても、してほしくないことなのではないでしょうか。
もし私が誰かにカミングアウトをしたら、私という人間について、そして私が同性愛者であることについて、誠実な関心を寄せてほしいなと思います。人間にとって一番傷つくのは、関心を持ってほしい相手から拒絶されることかもしれません。友だちと人間関係を創っていくためには、「わかり合う」という作業が必要です。お互いに相手に無関心で「わかり合う」ことは不可能ですから。
本来人間には、自分も相手も傷つけずに、自分の想いを伝える力があります。それは「自分を信じる力=相手を信じる力」と言い換えてもいいでしょう。わからないことが出てきたら、率直に相手に質問してみましょう。多少失礼な質問であっても、あなたに悪意がなければ、きっと相手は誠意を持って答えてくれると思いますよ。
そもそも何もかも全てわかり合うのは不可能なわけですから、完璧を求めず、むしろ少しずつわかり合っていくプロセスを楽しみながら、お互いの可能性を信じてコミュニケーションを続けていくことが大切です。関係性にゴールはないのですから。