同性の友人から告白されて、驚く人は少なくないと思います。その告白に、「どうすればいいの?」と悩んでしまう人もいます。
ここで考えてほしいのは、これが異性でも起こり得るということです。予想もしていなかった異性の友人からの告白に、多くの人はやはり驚くと思います。しかし、ほとんどの場合、ときに悩みながら自分なりの答えを出します。相手が同性だとしても、それは同じです。
したがって、「どうすればいいの?」という質問には、シンプルな方法を伝えることにしています。あなたが相手と恋愛的な関係をつくりたいと思っているなら「はい」、そうでないなら「いいえ」です。そして、これを「誠意をもって」伝えることが重要だと思います。
●気まずくなるのでは? 告白してきた友人と仲がよい場合、その後の関係が気まずくなるのではと心配する人も多く見受けられます。それは相手が異性でも同じです。仲のよい異性の友人から告白された場合でも、その後の関係は多少なりとも変化すると思われます。すぐ元通りになることもあれば、そのまま距離ができてしまうこともあります。それまで友人だと思っていたところに、恋愛的な感情が向けられていたことが明らかになったのですから、百パーセント関係性が変化しない方が不思議だと思います。
これと同じことが、同性間でも起こりえるのです。仲のよい友人との関係性の変化に、とまどい、悲しくなる人もいるかもしれません。人間関係ですから、楽しいことばかりではなく、いろいろなことが起こります。告白によって関係が気まずくなることもあるでしょう。
しかし、これは相手の性別に関係なく、人間関係がある以上、仕方のないことです。人間関係に完璧な答えはありませんが、正直に、「誠意をもって」対応することを目指してはいかがでしょうか。
●誠意のある対応とは 誠意のある対応とは「むやみに相手を傷つけない」ことです。相手の申し出を断る場合、それだけで傷つけることもあるかもしれません。しかし重要なのは「むやみに」の部分です。つまり、意図的に傷つけないのはもちろんのこと、相手を傷つける恐れがある言動は極力控えることが大切なのです。
したがって、「ありえない」、「気持ち悪い」などのような発言には問題があります。異性の友人に告白されて、「気持ち悪い」などと返すでしょうか。マナーは人によって考え方が異なるものですが、少なくとも、好意を示してきた相手を罵ることがマナー違反であることに異論はないでしょう。それは相手の性別にかかわらず共通ではないでしょうか。
そして、もう一つ付け加えておきたいことがあります。異性愛と同性愛の置かれている状況から考えて、告白してきた相手が同性の場合は、より配慮が必要な部分もあります。それが、告白されたことを第三者に伝える時です。
異性愛が「普通」とされている社会では、同性に好意があると知られるだけで、社会生活を送ることが困難になることがあります。学校や職場での嫌がらせやいじめなどで、結果的にその集団にいることができなくなってしまうことがあるのです。人によっては、精神的に追い詰められ、最悪の場合、自ら死を選ぶ人もいます。
告白を受けたあなたに、「誰にも話してはいけない」とは言えません。しかし、同時にできるだけの配慮をお願いしたいとも思います。例えば、相談する相手を、告白してきた友人とは面識のない人にするのはいかがなものでしょうか。一番現実的で、ほとんどの人ができる範囲の配慮だと思います。