チームS:シェイダさん救援グループ
「シェイダさん在留裁判」第四回口頭弁論間近に迫る

〜法務省交渉もあわせて実施〜

 日本への在留資格を求めているイラン人ゲイ、シェイダさんの裁判は、すでに三回の口頭弁論を終え、第四回口頭弁論が来る5月8日、ゴールデンウィーク明けに開かれます。(シェイダさんについては「ここ」、裁判のこれまでの争点については、「ここ」からどうぞ)
 前回(3月13日)の第三回口頭弁論では、これまでシェイダさん側が行ってきた主張に対し、法務省が「準備書面(1)」を出して反論。第14号で法務省側「準備書面(1)」の内容を詳しく紹介してありますが、基本は次の二つです。

1.シェイダさん側が出している、イランでの同性愛者の処刑の事例は客観的証拠に基づいたものではない。(イランの同性愛者に対する弾圧については「ここ」からどうぞ)
2.難民認定のためには、本人が迫害の恐怖を抱いているというだけでなく、逮捕状や
有罪判決が出ているなど、個別具体的な事情がなければならない。

 今回の法廷では、法務省の二つの主張に対し、シェイダさん側が再反論の「準備書面(2)」を提出します。
 「チームS」では、弁護団の主任弁護士である大橋毅弁護士(池袋市民法律事務所)とともに、議論しながら「準備書面(2)」を作ってきました。現在までに、準備書面の骨格はほぼできあがっています。
 当日の法廷は午前11時から。法廷自体は、シェイダさん側、法務省側、裁判所側の所裏手の弁護士会館5F会議室で報告集会を行い、今回の法廷の意味やシェイダさん側提出の準備書面の解説、最近のシェイダさんのようすや、シェイダさんからのメッセージの披露などを行います。シェイダさんの問題に心を寄せる皆さん、ぜひとも傍聴をお願いいたします。
 今回の目玉は、その後昼食をはさんで14時から行われる「法務省交渉」です。昨年の5月8日にシェイダさんの身柄が法務省の収容所に移されてからちょうど1年。シェイダさんは歯痛に悩まされているのに、これまで十分な治療をうけることができてきませんでした。今回の法務省交渉では、これまでに集まった「シェイダさんの難民認定と仮放免を求める嘆願書」約150通を提出し、シェイダさんの在留権、仮釈放(仮放免)と医療について、法務省側と交渉します。
 季節は5月、日比谷公園の新緑も美しい季節です。平日ではありますが、ぜひともお誘い合わせの上、霞ヶ関に足を運んで頂ければ幸いです。

●○●シェイダさん在留権裁判 第四回口頭弁論○●○

(日時)5月8日 午前11時〜(11時30分までには終了)
(場所)東京地方裁判所6階 第606号法廷 集合11時まで、606号法廷控室
 営団地下鉄霞ヶ関駅下車、徒歩三分(東京都千代田区霞ヶ関一丁目)
(内容)シェイダさん側の準備書面提出、質疑応答など

●○●シェイダさん在留権裁判 第四回口頭弁論報告集会○●○
(日時)第三回口頭弁論終了後(11時30分〜)
(場所)弁護士会館5階 第509会議室
 霞ヶ関駅下車徒歩三分、東京地方裁判所裏手(法務省並び)弁護士会館5階
(東京都千代田区霞が関一丁目)
(内容)本日の法廷の報告、シェイダさん側の準備書面の解説、シェイダさんの近況、シェイダさんからのメッセージ披露など
●○●対法務省交渉・嘆願書提出行動○●○
(日時)5月8日 午後2時〜3時
(場所)午後1時50分 日比谷公園霞門集合〜法務省本庁舎へ
(東京都千代田区日比谷公園)
(内容)代表団が嘆願書受け渡し、交渉等も予定。
入管施設収容1年:「シェイダさん救援の集い」を開催します

〜5月20日「中野ゼロ」学習室Bにて〜

 すでに桜も散った4月下旬のとある夜。夜間勤務についた巡査は気負っていた。東京のはずれの何の変哲もない住宅街。交番勤務は、ときたま上司の新人いびりにさらされるとはいえ、せいぜい自転車の無灯火運転の摘発くらい、ふだんは弛緩しきっていた。たるい時間潰しはもうたくさんだ……、巡査は壁に立てかけられていた盾を軽く蹴った。
 4月とは言え冷え込む夜、外国人は家路を急ぐ。最近はとくに疲れがたまっている。ふだんは警戒して通らない交番の前の道も、近道としては魅力がある。どうせ、交番には誰もいないだろう。足早に通り過ぎれば、それでいい。日本にきて9年にもなるが、これまで、きわどいことはあってもくぐり抜けてきた。きっと大丈夫だろう。−交番の前を歩いていく「三国人」。巡査の脳裏に、ピッキング事件で眠いところを起こされた記憶がよみがえる。違法な三国人が都民の生活に脅威を与えている、という石原知事の発言があったばかりだ。ひっぱってみるか?とりあえず、まずは丁重に。

−「ちょっとすみません。外国人登録証を見せていただけますか?」

 こんな感じで(?)シェイダさんが逮捕されたのが昨年の4月22日。その後シェイダさんは5月に北区十条にある収容場、8月に茨城県牛久市にある入国者収容所に身柄を移されました。本来、難民として遇されるべきシェイダさんへの強制収容は、これで一年以上続いていることになります。 
 「チームS」では、シェイダさんにとっての、また私たちにとっての、この1年を振り返り、またシェイダさんのことについて多くの人に知ってもらうために、5月20日(日)に「シェイダさんの1年・私たちの一年〜イラン人ゲイ難民・シェイダさん救援の集い」を開催します。
 集会は二部構成で、まず第一部では、この一年のシェイダさんの取り組みや、イランの状況などについて簡潔に解説。第二部は、同性愛者難民・シェイダさんについての理解を深めるために、ゲームやディスカッションなどをまじえた交流イベントとしたいと考えています。
 5月20日といえば、そろそろ初夏の風も吹くころです。ふだんとはちょっと違う日曜日を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

●○●シェイダさんの1年・私たちの一年○●○

〜イラン人ゲイ難民・シェイダさん救援の集い〜

(日時)5月20日 午後2時〜5時
(場所)中野ゼロ西館 第二学習室
(東京都中野区中野二丁目/JR中野駅南口下車、線路沿い東に徒歩5分)
(備考)終了後、交流会を予定