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同性愛は人権の問題です
 ■同性愛者の子をもつ親の方々へ
 ■教員の方々へ
 ■レズビアン&ゲイへ

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1.同性愛者のイメージは作られています
2.同性愛者のおかれている状況
3.同性愛者から社会へ
4.同性愛者と新しいライフスタイル
5.このホームページへアクセスした皆さんへのメッセージ
6.同性愛に関する電話相談の紹介

 
同性愛は人権の問題です
 

 私たち同性愛者は、異性愛者の価値観で構成されて動いている社会の中で、性的指向を隠して異性愛者のフリをして生きることを強いられています。そのために必要とされる莫大なエネルギーは、私たちが自分の可能性を最大限に発揮して、のびのびと生きていく力を奪っています。それどころか、私たちはいつも自分を責め、自分の考え方や行動や生き方を否定し続けるという状況に追い込まれているので、常に心に葛藤を抱えることを余儀なくされています。そんな中で、神経症になったり、自殺するところまで追いつめられることさえあります。つまり、同性愛者は人間らしく生きることができないのです。これは明らかに「人権」の問題です。

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 まず、あなたが今いる場所で、あなた自身の「人権」がどうなっているかを考えてみてください。あなたが、自分の「人権」が侵害されているかどうかに敏感にならない限り、同性愛者の「人権」を想像することは不可能だからです。学校で、無理やり同じ制服や髪型にさせられていて、守らないと教師に暴力をふるわれること。職場で、残業をしてもサービスだと言われて賃金をもらえなかったり、本人の状況を全く無視して配置転換や転勤をさせられたりすること。女性という理由で、自分が希望する仕事をさせてもらえなかったり、性的な対象としてしか見られなかったりすること。今の日本には、こうした「人権」侵害を、日常生活の中にいくらでも見つけることができます。それを「仕方がない」とあきらめてしまうのではなく、その「人権」侵害によって、あなたがどれだけ不愉快になり、どれだけ不利益をこうむるかを考えてみてください。そして、同性愛者も同じような「人権」侵害を受けているのだということを知ってください。

 そうした困難な状況の中でも、自分の性的指向を回りに明らかにして、自分に素直に・肯定的に・自信を持って生きていくことを選択する同性愛者も増えてきています。ということは、すこたんソーシャルサービスのホームページにアクセスしているあなたも、日常生活の中で、同性愛者に出会う可能性が高くなることを意味しているのです。同性愛者が異性愛者には見えないところで、「日陰の花」として一生隠れ続けている時代は終わりつつあります。私たちは、性的指向に関係なく共に生きる道を模索しなければいけない時代をむかえているのです。あなたが同性愛者に出会った時、理解できないことがたくさんあって驚き、嫌悪感を持ってしまうかもしれません。しかし、そこで「同性愛は認めない」といった、生身の人間の存在を否定する神にでもなったかのような傲慢な態度や、「同性愛はキラいだ」といった、性的指向だけで人間を判断する態度をとることだけはやめてください。

 あなたが異性愛者だった場合、強制的に「同性を好きになれ」と言われても「そんなことできるはずがない」と思うように、同性愛者でも異性愛者でも、性的指向を簡単に変えることは不可能なのです。ですから、まず同性愛者の存在を受け入れることが必要で、性的指向の違いを受け入れられないとしたら、それは同性愛者の側に問題があるのではなく、あなた自身に問題があるのです。

 ただ、強烈な個性を持っている人を理解するのが難しいように、性的指向が違う人間どうしが理解しあうのはかなり困難なことです。それに、同性愛者の個性も、異性愛者同様、ものすごく多様ですから、性的指向の違いの上に個性の違いが加われば、ますます理解するのは大変になってきます。とはいえ、そもそも人間というのは、一人一人かなり異なった存在なわけですから、お互いの違いを少しずつでも理解しようとしていく姿勢がなければ、人間関係が作れるはずはありません。つまり、同性愛者と人間関係を作っていくことは、一般的に人間関係を作っていくことの延長上にあるというだけのことなのです。

 同性愛のことを他人事ではなく、自分の生き方の問題と結び付けて考えれば、世間の常識に縛られず、新しいライフスタイルを模索している同性愛者から、この混迷の世の中を生き抜いていくヒントを得ることができるかもしれません。同性愛者を含めて、様々な少数派が生きやすい社会を作っていくために、お互いに真剣なアプローチをしていきたいものです。

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■同性愛者の子をもつ親の方々へ
 

 もし、あなたのお子さんが同性愛者だとわかったり、あなたのお子さんに同性愛者だと告げられたりしたら、大きなショックを受けるかもしれません。しかし、お子さんの方があなたよりももっとつらい状況におかれているということを知ってください。お子さんは、学校や職場で、自分の性的指向がバレないように雑談にも気を使ってビクビクして、気楽な会話ができる仲間もおらず、同性愛者の友人や恋人を作るのもままならない状態で自己否定的になりもがき苦しんでいるはずです。あなたがそういう状態におかれたらどれだけ大変かを想像してみてください。そして、あなたのお子さんのいちばん身近な存在としてお子さんの存在を丸ごと受け入れてあげてください。

 親として、どうしてもお子さんを理解したいと焦るかもしれませんが、無理に急いで理解しようとしてお子さんを問いただしたりしたら、逆に、お子さんを追いつめることにもなりかねません。さしあたり同性愛のことがわからなくても、お子さんの存在を否定しないというだけで、お子さんはものすごくホッとするはずです。(自分の子育てのせいで、お子さんが同性愛者になってしまったなどと悩む必要はありません。性的指向は、あなたの子育てのやり方や家庭環境には関係ないのです)

 お子さんといえども、親とは違う一人の人間なわけですから、自分の思い通りにお子さんを変えていこうとするのは傲慢なことです。そして、この本をお子さんに渡して、お子さんが自信を持って前向きに生きていけるように応援してあげてください。

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■教員の方々へ
 

 あなたの授業中の何気ない一言が、同性愛者の生徒を傷つけてしまうかもしれません。例えば、思春期をむかえた中学生に「皆さんぐらいの年になると、当然、男の子は女の子に魅かれ、女の子は男の子に魅かれます」と話すだけで、同性愛者の生徒は、自分は世の中の主流から外れた存在だと思い込んでしまい、罪悪感や孤立感を深めてしまうことさえあります。ましてや、授業中、テレビで使われているホモネタをギャグに使ったりしたら、同性愛者の生徒は、かなり心を傷つけられるでしょう。

 したがって、まず、同性愛(者)に関する正確な知識を持つことが不可欠です。その上で、授業の中で、おりにふれて「世の中には同性を好きになる人もいます」程度の一言でもいいから、同性愛者の存在を肯定的に話してください。それだけでも、同性愛者の生徒の気持ちは、ずいぶん楽になるはずです。

 社会を支配している価値観が男性と異性愛中心にできているという点で、同性愛者に対する差別と女性差別とは、深いつながりを持っています。ですから、あなた自身が世間が勝手に決めた「男らしさ」「女らしさ」に縛られていないかを、厳しく見つめなければなりません。あなたが授業の中で「らしさ」を押しつけることは、「らしさ」になじまない同性愛者を苦しめるばかりではなく、「らしく」することができない異性愛者の生徒にとっても重い負担になるのです。「男の子は泣くな」「男の子どうし手をつなぐな」「女の子がそんな言い方をしたら、いいお嫁さんになれないよ」といった言葉が生徒達の可能性を狭めていることに気付いてください。

 そして、できればあなた自身が同性愛(者)について詳しく勉強して、同性愛者のおかれている状況や同性愛者の「人権」の問題を生徒に話してやってください。一番いいのは、生徒が生身の同性愛者に会って話を聴くことです。私たち『すこたんソーシャルサービス』は、同性愛に関する正確な知識や同性愛者のおかれている状況を社会に伝えることを「仕事」にしています。ぜひ、私たちを学校(あるいは、教員の集まり)に呼んで話をさせてください。(すこたんソーシャルサービス宛  E-mail info@sukotan.jp

 私たちは、これまでに何回も高校で講演をしてきましたが、自分達が中・高生時代にそういう話を聴いていたならば、きっと、勇気と希望を与えられて前向きに生きていくきっかけになっただろうと切実に思いました。孤立している同性愛者の生徒にとっては、同性愛者の存在を肌で実感するだけでも、計り知れないパワーを受け取ることができるのです。

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■レズビアン&ゲイへ
 

 あなたは、自分が同性愛者であることに悩み苦しみ落ち込んで、ひょっとしたら異性愛者に変われたらいいなとさえ思っているかもしれません。しかし、同性愛者は、何時でもどこでも人間の数パーセントを必ず占めている存在で、決して否定されるべきものではありません。自分を責めずに、自分をしっかりと受け入れて、自信を持って同性愛者として生きる第一歩を踏み出してください。同性愛者の方が、世間の常識にとらわれない分だけ、異性愛者よりも生き生きと生きられる可能性を持っていさえするのですから。

 それでも、どうしても気にかかることや、相談したいことがあったら、「同性愛に関する電話相談の紹介」を利用してみてください。同性愛者はあなた一人ではありません。

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