最近行われた世論調査によると、保守派圧力団体の大規模な同性婚反対運動にも関わらず、カナダ人の同性婚への支持は相変わらず高いままだ。
調査会社、エンビロニクスリサーチが、9月18日から10月10日までの間に行った調査によると、56%のカナダ人が同性婚を支持している。この数字は、夏期に行われた同じような調査よりも3%上がっている。42%が同性婚に反対で、夏期の調査時よりも1%下がった。
この調査が行われたのは、パーラメント・ヒル(首都オタワの国会議事堂などがある地区)で同性婚反対の保守派の宗教団体などがデモを行い、改革保守連合が提唱した「結婚は男性と女性の間で行われるもの」、と定義しようとする決議を、下院が僅差で打ち負かした後だ(この決議に関してはこちらの記事をご覧ください)。
同性婚を支持する人は、45歳以下の、宗教団体や、その他の組合などに所属せず、大学卒で、所得が高く、大都市に住んでいる女性に最も多いと言える。
反対に、同性婚に反対する人は、60歳以上の、プロテスタントで、高校またはそれ以下の教育水準で、地方に住んでいる男性に最も多い。
これらの調査結果でもっとも興味深いのは、カナダの5つの主要政党それぞれの支持者が、どのようにこの問題を捉えるかだ。新民主党の支持者は同性婚に圧倒的に好意的だ。ブロック・ケベコワ(ケベック連合/ケベック州の独立を目指す)や与党である自由党支持者は、カナダ人全体と比べるとやや同性婚への支持率が高い。
注目に値するのは、今現在、合併しようとしている2つの右派の中央政党、改革保守連合と、進歩保守党の支持者の意見の分裂だ。改革保守連合の支持者は、72%もの割合で同性婚に反対で、賛成は27%だ。対照的に、進歩保守党の支持者は、カナダ人全体とほぼ数字が同じで、57%が同性婚に賛成、42%が反対である。
カナダ国内での同性婚を合法化する法案は、最高裁判所の合憲かどうかの判断を待っている段階だ。今夏、オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州の法廷で、同性婚を禁じることは違法だとし、同性のカップルがそれらの州で直ちに結婚することができるようになった。
カナダの動きは以下の記事を参考にしてください。
▼06/22 「カナダで同性結婚合法化へ」「カナダが同性結婚の合法化に向け法改正へ」
▼07/22 「カナダで同性婚合法化へ〜その後」(カナダのブリティッシュコロンビア州の動向、トロントの結婚手続き準備、トロントでの結婚の手引きなど)
▼08/02 「カナダが同性婚法を提案」
▼09/22 「カナダ議会が、同性愛者に対する差別的発言を禁止する法案を可決」
▼09/22 「カナダの同性婚法、成立に向け難局つづく」
▼09/23 「アメリカが、カナダで同性婚をしているカップルの入国を拒否」
翻訳&記事の解説:Nick Konishi
(Nick Konishi:東京都在住/翻訳スタッフ)
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